【書評】落合陽一氏が語る日本人再興戦略とは?日本人1億人が読むべき本!

落合陽一さんの話題の書「日本再興戦略」を読みました。

天才がこれだけ前向きに、そしてこれまでの日本歴史や文化、最新のテクノロジーを使い理詰めで日本の再興を語ってもらい勇気をもらえました!
と同時に
自分も日本再興のために少しでも何か役に立てたらと思いました!

実際に学ぶことが多すぎて、すべてを書くことが出来ませんが、私が目から鱗だったポイントを抜き出しました。

参考にしてください。

高度経済成長の3つの正体

最近、日本は「一人当たりの生産性がの低さ」「イノベーションが生みだせない」など悲観的なことばかり取りだたされていますよね。

戦後の高度経済成長の正体は、以下の3つだと語られています。

結局、高度経済成長の正体とは、「均一な教育」「住宅ローン」「マスメディアによる消費者購買行動」の3点セットだと僕(落合陽一)は考えています。
つまり、国民に均一な教育を与えた上で、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメディアによる世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略です。

この3つで日本の経済は急速に伸び、物質的に豊かになれたんですね。

しかし、これらはあくまでも経済成長期に向けにとられた戦略です。
高度成長期が終わり成熟期になったのに、いまだに成長期の戦略を信じて多くの国民が実行しているので、日本人一人あたりの生産性が低いわけです。

物質的には豊かになっていった高度経済成長の時代において、これは別に悪い戦略ではなく、むしろいい戦略でした。

ただし、今の状況でこの戦略を続けていくと、日本人一人当たりの生産性はどんどん下がっていきます。

ワークライフバランスは日本に向いていない!

ワークライフバランスという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。

人生を「仕事」と「それ以外の生活」に分けて、この2つのバランスを取りましょうというものですね。

しかし、落合さんは著書の中で、「ワークライフバランスは日本文化に向いていない」と断言されています。

今は、ワークライフバランスという言葉が吹き荒れていますが、ワークとライフを2文法で分けること自体が文化的に向いていないのです。日本人は仕事と生活が一体化した「ワークアズライフ」のほうが向いています。
無理なく、そして自然に働くのが大切なのです。

日本は歴史的にも、労働者の労働時間が長い国家です。大和朝廷の時代にも、下級役人は長時間労働をしています。1年のうち230日は働いて、そのうち120日が夜勤というような生活です。

一方、農民や上級役人などは、生活の中に労働を含む文化を持っています。しかし、それが過労でなかったのはなぜでしょうか?それはつまり、昔からストレスが少なく、生活の一部として働いていたのです。これは、時間やノルマの労働スタイルで過労すると、新進が持たないことを示している一方で、生産性を上げ切れない理由でもあります。

 

日本で問題になっている過労死の問題ですが、過労死をなくすために「労働時間」ばかりがとりだたされますが、「労働時間」は本質的な問題ではないんですよね。

小さなときに何時間もドラクエをやり続けたり、夢中で何時間もスポーツに打ち込んだりできましたよね?好きなことでストレスを感じないことは、何時間継続しても嫌になったりしないんです。

嫌な仕事、やりたくない仕事、一緒に仕事をしたくない人などと一緒に、「ストレスを感じながら仕事をする」から、過労死の原因となる心の病につながるんですよ。

*参考記事:落合陽一氏が語るワークアズライフとは?ストレスフリーな未来の働き方とは?

2000年に日本が変われなかった2つの原因

1994年に高度成長期が終わり成熟期になったにも関わらず2000年ごろに日本が変われなかった原因は以下の2つです。

ひとつ目は、大きな社会変革を起こすには、まだ伝統的な日本企業が強すぎたのです。2000年当時は世界第2位の経済大国でしたし、米国の半分のGDPがありました。

その後、2010年には中国に逆転されて、今では中国のGDPは日本の倍になっています。米国のGDPはもう日本の4倍です。しかも、このまま業態の更新ができないままだと、この差は開くばかりです。

過去15年間に変われなかったがゆえに、これほどの差がついたということをまず復習しないといけません。

経済成長期のスキームで大きくなった会社が、成長期になったにも関わらず、業態を更新できなかったんですね。

この時代に合っていない昔のスキームを無理やり継続している大きな会社が倒産したり、経営が悪化しているわけですね。

2つ目の原因は、日本人の意識とものの考え方です。日本人の意識が昭和的均質のままだったのです。今なお日本には、昭和の意識が残っていますが、2000年当時は昭和色がもっと濃かったのです。当時も今も、現場レベルでは変わろうとしているのですが、メディアが古くて変わらないので、多くの人が「今のままでいい」と安心してしまうのです。

私は以前、ある程度大きな会社に勤めていましたが、昭和の考えのお偉いさんたちがのさばっていては、若い人がどんなにいいアイデアを提案しても昔の考え方で潰してしまうんですよね。だから、時代は動いているのに会社とコミュニティは変わらないままなんです。

我々は、平成という時代を通して、昭和のモデルから脱却しないといけないと思いながらも、最後まで脱却できませんでした。昭和モデルをIT化できなかっただけでなく、昭和的なものの重要性を軽視しすぎて、昭和の遺産を食いつぶしてしまいました。昭和を破壊してしまった結果、何が本当に大切なものなのか、わからなくなってしまったのが今の状態です。

平成は先人の遺産を食いつぶしただけで終わろうとしています。ポスト平成の時代に同じ過ちを繰り返してはいけません。そろそろ我々はコアアイデアを持ってクリエーションしないといけないのです。

 

ここまで言い切られると気持ちいいですね^^
この本は、若い世代の人だけでなく、現在会社経営に携わっている人にも読んでほしいです。

これからは百姓的な働き方が重要

私は小学生の娘がふたりいるので、「教育」について考える機会が多いです。

この中で特に感じることが、「周りに合わせて」という概念で塾に行かせたり、習い事ばかりさせている親が多いこと。

その父親の愚痴が「若い社員は偏差値的な頭はいいが、仕事ができない」というものだったりするから驚きです。

机上の答えがある問題をより早く正確にとくスキルだけを身につけても希少性のある仕事ができるようにはなりません。

とくにこれから重要になるのが、「百姓的な生き方」です。百の生業をなすことを目指したほうがいいのです。そうすれば、いろんな仕事をポートフォリオマネジメントしているのでコモディテイになる余地がありません。

日本は超拝金主義

皆さん、お金は好きですか?

日本人は、子供などに「お金の話を人前でするのはよくない」とお金のことは気にしていないと装いつつ、働く会社や結婚相手を給料、年収などの「お金」で選んだりする人が多いですよね。

これって、完全に拝金主義です!

お金以上の価値があることはたくさんあるんです。

と今書きながら、これを読んだ人は、「そんなの綺麗ごとだ!」と反論する人も日本人には多いと思います。

今の日本人は、お金を過度に気にするあまり、大きな自己矛盾を抱えています。

今の日本が持っている「内なる拝金主義」は大きな問題です。ここから抜け出さない限り、士農工商などの「価値を中心としたパラダイム」には戻れません。

今のままでは、士農工商の逆の商工農士になってしまいます。「商」なんて、本質価値を生み出していないと思ったほうがいいのです。

日本の再興戦略を考える上でのカギはテクノロジー

現在開発されている、そしてこれから開発されるテクノロジー以下のような社会変化が起きると落合さんは述べられています。


・コンビニに行かなくなる

アマゾンの「Prime Now」や「UberEATS」で欲しいものをすぐに届けてくれるサービスが、今後ロボットや自動運転になる。

・自動翻訳が劇的に普及する

現在では表現が多く翻訳しづらい表現をAIによって個人と文脈に応じてチューンアップされていく。

・自動運転タクシーを安く使えるようになる

2025年ぐらいになると日本でもある程度自動運転車が走っているだろう。

・5Gでほかの人と3次元空間を共有できる

5Gになるとたった1ミリ秒の遅れで情報通信ができるようになる。
このことにより、遠隔手術や3次元のスポーツ中継をリアルタイムにみれるようになる

 

このようなテクノロジーを使って現代の多様化した個々のニーズに最適化させた新サービスを作る。
そしてこのようなサービスを日本初で世界中に普及させることが重要なんですね。

そして、5Gを日本や2020年から東京でスタート予定で、5Gの最先進国になるんです。

今からこの5Gでのサービスを考えることは大きなビジネスチャンスになりそうですね。

人口減少・高齢化がチャンスである3つの理由

人口減少・高齢化はチャンスだと落合さんは語られています。

その理由の一つ目はこうです。

ひとつ目は自由化、省人化に対する「打ち壊し運動」が起きないことです。人が減って、かつ高齢化で働ける人が減るので、仕事を機械化してもネガティブな圧力がかかりにくい。産業革命のときに労働者が機械を破壊したようなラッダイト運動が起こらないのです。

人がやる仕事を機械化しても、そもそも人がいないから問題が起きにくいということですね。

次はこうです。

2つ目は「輸出戦略」です。
日本は、人口減少・高齢化が早く進む分、高齢化社会に向けた新しい実験をやりやすい立場にあります。これから中国を筆頭に世界中が高齢化します。もし日本が、人口減少と少子高齢化へのソリューションを生む出すことができれば、それは”最強の輸出戦略”になるのです。

日本は、世界の中でも人口減少と少子高齢化が早く進んでいるので、この状況で実験しながらロボット技術などの解決方法を世界に先駆けて開発し、将来輸出するということですね。

3つ目は、「教育投資」です。
これからの日本は、人材の教育コストを多く書けることができる国になります。日本は人口減少しているので、相対的に大人の数が多くなり、子供の数が少なくなります。
すると「子供は少なくて貴重なのだから大切にしよう」ということになります。

以上の3つで、人口減少、少子高齢化は明らかにチャンスだということなのです。

日本再興のもうひとつのカギはブロックチェーン

ブロックチェーンを仮想通貨とイコールで考えている人が多いようですがそうではありません。

仮想通貨はブロックチェーンを使った1つの技術なだけです。

ブロックチェーンとは、分散型の台帳技術と言われますが、あらゆるデータの移動歴を信頼性のある形で保存し続けるためのテクノロジーです。しかも、誰かが一元的に管理するのではなく全員のデータに全員の信頼をつけて保っていくことができます。
非中央集権的なテクノロジーなのです。

では、この技術を使えばどのようなことができるのでしょうか?

地域や世の中をよくするサービスを作ろうとする人が、ICOによってお金を集めて急速にプロジェクトを推し進めることが出来ます。これと同時に投資する側も応援したいサービスを選んで投資できます。

沖縄がICOすることになれば、観光の楽しみも増えて、ぜひお金を出したいと思う人は日本中にいるはずです。

今の後手でしか動けない財政の仕組みだと地方自治体がお金を集めることが非常に難しいんですね。

しかし、地方自治体の新しいサービスを応援したい人が先行投資でいるようになれば、どんどんいいサービスが生み出される可能性が高まる。

トークンエコノミーが広がると地方自治体が財源的に中央から自立しやすいというわけですね。

実際にヨーロッパの国エストニアは国自体をICOして話題を集めました。

ブロックチェーンや仮想通貨がよく分からないという人は、とりあえずビットコインんを買えばいいと思います。

後で出てきますが、ポジションを取るんです。

そうすると、ブロックチェーンや仮想通貨について、いろいろと勉強するようになりますので。

*参考記事:これから仮想通貨を始める初心者ための正しい始め方マニュアル!

 

日本再興は教育から始まる

これまでの古い意識を変えるにはやはり教育が重要になるんですね。

僕が今もっとも投資をしているのは、学生の人材教育です。僕のラボには45人の学生がいますが、この規模は国立大学の中で相当でかいです。

当初は、5年間で50人を育てることを目標にしていたのですが、今は4、5年で最大100人まで育てようと思っています。

もし落合マフィア(PayPalマフィアのメタファーです)が100人育てば、明らかにとがった変わった人間が社会に溢れることになります。その人たちが生む資産価値や市場価値は異常に大きくなるはずです。

 

一人の天才が生む出すものをこのような教育通して拡大させる。
そして、その教育された落合マフィアがまたそれぞれで教育し、次世代の優秀な人材を育てる。

ホント素晴らしいシステムですね。
そして、これを率先して実行されているのが素晴らしいです。

ポジションを取れ!

ポジションを取るということは、やってみてその結果に身を置くということですね。

思いついたら、即実行することが重要だということです。

いろいろ分析しても、結局やってみないと分からないんですよね。

分析の結果ほぼ100%成功するようなモデルは絶対にAIのほうが強いですよ。
情報の処理量、処理速度が人間より優れていますので。

最後に落合さんからの刺激てきなメッセージを載せます。

「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日、明後日で考える基準を変え続けろ。」

「日本再興計画」を読んで

この本を読んで、落合さんのファンになりました。

TVを見ていても、日本の現状に批評や批判をする人は多いですが、解決策をこの本のように具体的に示せる人は多くないですよね。

落合さんはいろいろな観点(歴史、文化、テクノロジーなど)から日本という国を見て、日本再興計画を具体的に示しておられます。

この本は、本当に日本人全員に読んでほしいです。

 

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