2017/03/23
歯医者の給料、年収ってやはり高いの?現役の歯科医に聞いてみたよ。
「歯医者さんは、給料が高い」というイメージがありませんか?
お金持ちの職業と言えば、医者、歯医者、弁護士ではないでしょうか?
しかし、最近、以下のようなニュースをよく聞くんです。
・歯科医師が過剰で、廃業に追い込まれる歯医者さんが数多くいる
・歯医者さんの給料、年収が安い
そこで、実際に歯医者さんの給料、年収はいくらなのかを現役の歯医者さんに図々しくも聞いてみました!
このブログにもたまに記事を書いてもらっているライターのhanekoさんは、現役の歯医者さんなんですよ。
それでは、歯医者さんの給料の実態をどうぞ~。
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【文章:現役歯科医、hanekoさん】
歯医者さんと聞くと、多くの人が
「高級外車に乗ったお金持ち」というイメージがあるのではないでしょうか?
なぜ、イメージと現実がここまでかけ離れているのか?
また、歯科医師の給料の実際実態についてご紹介します。
Contents
なぜ歯医者さんはお金持ちのイメージが定着しているのか?
100人に聞いたら、ほぼ全員が
「歯医者さんは、お金持ち」と答えるのでは?
と思うくらい歯医者さんはお金持ちのイメージが強いですよね。
これはお医者さんにも言えるかもしれません。
基本的には医者、歯科医、弁護士というのは、専門分野で長い期間勉強し、その専門の知識や技術を活かして収入を得ています。
とくに、医師や歯科医師は他のどの職業とも異なる点があります。
それは歯科医師も医師も人を傷つけているのです。
えっ、歯医者が人を気づけている??(驚)
少し言葉が乱暴かもしれませんが、
歯を削る行為や、手術でお腹を切るというような行為は、医師、歯科医師以外の国家資格を持たない人が行えば、傷害罪に問われます。
ですが、医師や歯科医師は、国に認められたうえで、そういった行為、つまり治療をすることができる唯一の職業です。
ですから、専門性が高いため、その分、お給料、年収は高いわけです。
昭和初期や戦後にアメリカの食文化が日本にやってきたことで、砂糖を大量に使ったお菓子が流入し、虫歯に苦しむ患者が一気に増加しました。
ですので、かつては、虫歯に苦しむ患者さんと歯科医院のバランスは、圧倒的に歯科医師が少なく、患者さんは痛い思いを我慢して、長時間並んで治療を受けてきました。
当然、患者さんが多いため、歯科医師の給料も自然と高くなりました。
そのため、「歯科医師はお金持ち」のイメージが、この昭和時代の患者さんがたくさんいるときに出来上がったのです。
なぜ歯医者さんは、給料、年収が低くなったのか?
今、自分の歯を見てみてください。何本の歯を削ったことがありますか?
もしかしたら、一本も歯の治療をしたことがないという人もいらっしゃるのではないかと思います。
歯医者さんとは無縁という方も大勢いるのが、今の日本の現状です。
虫歯という病気にかかる人が減少してしまったため、自然と患者の数も減少しました。
さらに、患者さんが多かった昭和時代に、歯科医師が患者さんに対してあまりにも少なかったため、歯科医師の数を増やす努力を国が行いました。
歯学部の学部を増やし、歯科医師数を極端に増やしたのです。
患者さんと歯科医師の需要と供給のバランスが、完全に崩れてしまいました。
そして、歯科医師が虫歯予防の予防活動を積極的に行い、患者さんはさらに減少しています。
歯科医師が過剰になっているのが、今の日本の歯科界の現状です。
ですから、歯医者さんを新しく開業しても、患者さんがなかなか来ず、廃業してしまう歯医者さんも毎年多いのです。
歯科予防が進み患者数が減り、国の歯科医を増やす政策により、需要と供給のバランスが崩れたんだなぁ~。
廃業する歯科医が多いというニュースはホントだったんだ。
歯科医によって給料、年収がかなり違う!
歯科医師といっても、みんな同じ給料がもらえるわけではありません。
経験年数や身に着けた技術によっても、お給料、年収にはかなり差があります。
例えば、大学を卒業したばかりの研修医の間は、給料はがかなり安いです。
「かなり安い」といってもそこそこもらっているのでは?と思うかもしれません。
いくらくらいもらえるのか想像してみてください。
そりゃ~、そこそこ、もらっていると思いますよ。
月50万くらいですか?
研修医の初任給はおよそ、月給で10万円、年収にして120万円です。
中には10万円を切る研修施設もあるようです。
額面10万円ですから、保険料等を差し引くと、手取りはかなり少なくなります。
研修を受ける病院は都市部に集中していますから、食べていくのがやっとです。
歯科医師として、研修医中はバイトも禁止ですから、親の支援を受ける研修医も大勢います。
えっ、月に10万?
歯医者の研修医の給料ってこんなに安いの?
立派な歯科医師になるためには、大学6年間と研修期間である1年を含めると、7年近くかかります。
2年目以降はより専門性を高めるために大学院へ進学したり、勤務医として歯科医院にて働いたりと、歯科医師の選択によってかなり給料、年収に差がでます。
大学院進学中は、入学金と授業料がかかりますし、もちろん生活費もかかります。
大学の医局というところに所属して、その大学の医局が紹介するバイト代で生活をします。
バイト代も地方と都市部では異なり、日給3万円近くもらえるところもあれば、1万円程度のところもあります。
平日は大学院にて研究をメインとしているので、月収としては、土日休みなしで、20万円程度です。
平日は大学院、休日は歯科医師として働き、かなり過酷な環境です。
勤務医で働く場合は、歩合制か給料制を選択することができますが、給料制の場合は月収30万円ほどもらえるところが多く、給料がいいところでは50万円ほどです。
しかし、サラリーマンと異なり、歯科医師は最終的には開業する人が多いので、定年まで働くということはまずないため、昇給もほとんどなく、ボーナスがないという職場も珍しくありません。
歯科医師で高給取りになるには?
歯科医師は、このように必ずしもお金持ちではないということがわかってもらえたと思います。
では、歯医者さんで高給取りになるにはどうすればいいのでしょうか?
歯科医で給料上げる方法 その1.給料の高い歯科医院に転職する
現在、もっている技術をそのまま活かして給料をあげるのに簡単な方法は、お給料の高い歯科医院に移るということです。
どの職業もそうだと思いますが、同じ技術を持っていても、給料は雇われる会社によって違いますよね。
歯科医にもこれが当てはまります。
最近は、歯科医専用の転職サイトがあります。
代表的な歯科医、歯科衛生士専用の転職サイト「メディカル・リンケージ」は、歯科業界に詳しいエージェントがついてくれ、自分にあった歯科医が見つかるまでサポートしてくれるため評判がいいです。
歯科医で給料上げる方法 その2.歯科医院を開業する
給料をあげるために、開業をする人も多いです。
開業資金など融資を受けるために、30代、40代で開業する歯科医師が多いようです。
開業すれば、平均的にはおよそ年収1000万円ほど給料を得られます。
しかし、集客や立地などしっかり調べないといけないですし、当然、他の自営業者と同じで、退職金があるわけでもありません。
また、開業資金がかなり高額で、自分がもし病気になってしまったりすると、閉院というリスクは常につきまといます。
歯科医で給料上げる方法 その3.歯科に関連する専門性を身につける
しかし、虫歯に悩む患者さんが激減した今、どのようにすれば患者さんがたくさん来てくれるのでしょうか?
その答えは「専門性」です。
実は、歯科医といっても、入れ歯が専門の歯医者さん、歯並びや見た目が専門の歯医者さんと細かい分野に分けることができます。
歯医者さんに行けば、虫歯の治療から、歯周病、入れ歯もちろんなんでもしてくれます。
当然、ある程度、痛みや噛めるような治療は多くの歯科医師を行うことができます。
ですが、より高い専門性をもつことによって、入れ歯が噛めなくて困っている患者さんや、歯周病でなかなか歯茎の状態がよくならない患者さんがたくさんいます。
お口の状態は個人個人違います。普通の歯医者さんが作る入れ歯が、合わない特殊なお口の状態をした患者さんもいます。それは虫歯でも、歯周病でも同じことです。
さらに、歯並びに関する矯正治療というのは、大学卒業後さらに専門性の高い勉強が必須であるため、歯科矯正というのは、歯医者さんとは別で、歯並びを専門に治療しています。
このように、歯周病も虫歯治療も専門性をだすことによって、
治療を必要とする患者さんに選べれ、たくさん来てくれる歯科医院になるのです。
お口の悩みは、虫歯、歯周病、口臭、見た目、歯並び、小児専門など数えだしたらキリがありません。
歯医者さんは虫歯を治療するだけでは今はないのです。
そういった患者さんのニーズにあわせた治療を提供していくことが、歯医者さんが高給取りになるポイントです。
最後に
hanekoは現役歯科医ですが、女性目線の治療を大切にしていこうと考えています。
出産を経験して、産婦人科を受診したことがあるのですが、男性にはなかなか言えない悩みも、同じ女性なら相談できたりすることもあるなと思ったからです。
体の悩みは男性にはわからないでしょ?と思う女性は多いと思います。
それはお口の悩みでも同じなんです。
また、「男性に口の中を覗かれるのは恥ずかしい」という女性の患者さんをhaneko自身多く治療させていただきました。
そういった女性目線の治療を今後、充実させていきたいと思っています。
ぜひ、自分のお口の悩みを解決できる歯医者さんを探してくださいね。
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りゅうじんのつぶやき
現役歯科医hanekoさんの話を聞いて、歯科医に対するイメージが変わりました。
結局、差別化を図り、集客力の高いサービスができ、集客できるところが稼げるんですね。
どの業界も同じやなぁ。
「歯医者だから稼げる」というものではないということが分かりました。
hanekoさんも言っておられましたが、スキルは同じでも勤めている歯科医によって給料が変わるようなので、歯科医専用の転職サイトに登録しておくのはいいですね。
メディカルリンケージで転職し、将来の開業のために、分院長になり年収が720万⇒1180万になった人や、年収・通勤時間・院内の人間関係がよい歯科医院に転職でき、年収が610⇒740万円になった人もいるようです。
詳細は「メディカル・リンケージ」の公式サイトで↓